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120 利休鼠

利休鼠
りきゅうねずみ

『黒川紀章ノート-思索と創造の軌跡』
という本に暫く前に出逢いました。
読んでしまうまでに随分長い時間がかかったので
購入した時期と読むに値する年齢にズレがあったのかもしれません。

黒川紀章氏の設計を身近で見る事ができたのは
『門司港レトロハイマート』と『福岡銀行本店』でした
二つの建物共にグレーの色調で何度も見たくなる建物でした。

利休鼠という色の説明をいかにも日本人的な解説をされていて
彼についてもう少し詳しく知りたくなりました。

西欧で言うグレーはあまり良い意味で使われないのに対して
日本における曖昧な表現、どちらとも言えないが白とも黒とも言い難い
そんな独特な曖昧さを表現した色こそが『ねずみ色』なんだそうです。

『グレー』といえば白と黒の混ざり合った状態で濃淡の違いはあるが他の色にはならない
『利休鼠』にはいろいろな色の種類があり黒と白の混合だけではない色

捨て鉢で筆を洗うと赤や緑、青、黄色などいろいろな色が混ざり合って洗い落とされた絵の具が沈殿し堆積する。
その沈殿物の色はグレーではあるけれども、あらゆる色がまじりあって微妙な色をしているこれこそが『利休鼠』そのものである。

他にも
『紅掛けねずみ』赤が浮き上がってくるような赤っぽいねずみ色
『深川ねずみ』ブルーの色が表に出てきているようなねずみ色
『黄ねずみ』黄色がにじみ出しているようなねずみ色
『銀ねず』や緑がかったねずみ色などさまざまな色

『利休鼠』とはそういうあらゆる色が可能なねずみ色と解説してあります。

日本人の感性を媚びることなく表現した建築家なんだと感じました。
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by small_room | 2009-03-10 00:00